■
いつか来る日
■
大学4回生の12月のこと・・・・。
こういう日がいつか来ると覚悟をしていた。
していたはずだった・・・・。
「水曜日お家に遊びに行っていい?」ってメールを送った。
返事は私の予想と全く違った。
『金曜日までに一度荷物を引き上げて欲しい』
そのメールを見た瞬間「バイバイ」だとわかった。
信じたくないから「誰か来るの?」って聞いたけど返事なし。
迷ったけど電話をかけた。
『今メール打っててん。
あのな・・・・・マキと付き合う事になった。』
声が出なかった。
「マキって・・・・誰?」
声を搾り出して聞いた。
『退院した日に会いに行った娘。』
「・・・・・わかった。」
言えたのはそれだけ。
覚えてるのはそれだけ。
後は涙しか出なかった。
なおくんは『でめ?ごめんな。』とか『世話になったな。』とか
『感謝してる。』とか言ってた。
私の耳にはあんまり入らなかったけど。
「荷物は仕事で家にいてない時に 取りに行くわ。」
そう伝えた。
電話を切った後 声を出して泣いた。
思うように涙が出なかった。
泣いてもすっきりしない。
実感がない。
ただ・・・・夢であって欲しいと思うだけ。
なおくんから改めてメールがきた。
『実はマキと付き合うことになった。
悪いな、○(私の名前)。
色々と世話になっておいて勝手なことばっかりで。
先の事はわからないもんだけど、いつかこんな日が
来るんじゃないかって思ってた。
それが今。
でめがしてくれた事、すごく感謝してる。
ありがとう○(私の名前)。』
感謝なんかいらない。ありがとうなんかいらない。
ただ、一緒にいたいだけなのに。
嫌われたわけじゃない。
ただ・・・・彼女ができただけ。
そう言い聞かせた。
そして、メールに返事。
「私もいつかこんな日が来ることは覚悟してたよ。
まだ心の整理はできないけど・・・。
私はなおくんのこといっぱいいっぱい好きやった。
今も好き。
(省略)
私は勝手に今まで通り?片想いしてるから。
とりあえず、今までの楽しい時間ありがとう。」
こころにぽっかり穴があいたような気分。
痩せなかったからこういう結果になったんだって自分を責めた。
私はこれからどうしたらいいんだろう?
きっと私はなおくんに会ってもいつも通り振舞える。
だから、荷物はなおくんがいる時に取りに行く。
いない時にと思ってたけど ちゃんと向き合いたいし。
なおくんもその方がいいと言った。
いっぱい考えた。
でも、悲しいだけ。苦しいだけ。
私、本当になおくんのことが好きなんだなって実感した。
やっぱり嫌だけど、『いつか来る日』が来てしまった。
もどる
Copyright(C)2003-2005 deme All rights Reserved