ぽけっと☆ http://pocketstar.nobody.jp
とっぷ ぷろふぃーる さいとまっぷ れんあい おはなし
にっき きまぐれ けいじばん めーる りんく

れんあい  

 はじめての告白 
小学校6年生の時のこと。
幼稚園の時を含め6年間同じクラスだった男の子がいた。
シンゴ君。

ちょっと乱暴者で女子に嫌われるタイプの子。
クサレ縁みたいな感じで 私はよく話してたし世話?してた。


同じ班になった時。
友達の一人がこう言った。

『シンゴって でめさんのこと好きなんで〜』

ちょっとドキッとした。
その時、私はちょっとだけシンゴ君のことが気になってたから。


いつも乱暴者で嫌われてるシンゴ君。
でも、たまにすごく優しい時がある。
その優しさに惹かれていってたのかもしれない。
あとは・・・・
自分が世話してあげないとなんてことを思ってたのかも。


バレンタイン。
本当は学校にお菓子を持ってきてはいけないから禁止。
でも、担任の先生から
『女子全員で男子全員にチョコをプレゼントするなら持ってきてもいい』 
という許可が出たので 好きな人にチョコレートを渡すチャンスができた。

迷ったけど シンゴ君に渡すことにした。
卒業式も近かったから。



告白なんてことは恥ずかしくてできないから。
チョコレートと一緒にカードと手紙を書いた。



カードにはストレートに『好きです』
手紙には『好きって言うか・・・・友達よりも特別な存在です』



カードがストレート過ぎて恥ずかしかったから 照れ隠しの手紙だった。
最後に『第2ボタンください』って。

バレンタイン当日。
チョコレートとカードと手紙が入った紙袋を持っていった。
渡すタイミングがみつからず・・・・。



放課後。
帰りの会が終わって みんなが帰ろうとざわざわしてた時。
帰る間際のシンゴ君を捕まえて ざわざわに紛れたまま渡した。

『絶対に家に帰ってから開けてな!!!』

周りに友達もいたから それだけは念を押した。
それが私の初めての告白。

告白って言えるようなものじゃなかったかも。


チョコを渡しても 別に何も変わらなかった。

でも、ホワイトデーの朝。
登校すると 私の机にシンゴ君に渡した紙袋がかかっていた。
中にはお返しの ミルキーの飴。
シンゴ君は何も言わなかった。


でも、すごく嬉しかった。


卒業式。
最後に校門までの道を 在校生に見送られながら歩く。
その待機時間のとき。
シンゴ君がさりげなく ボタンをはずして渡してくれた。
誰かに踏まれて凹んだ第2ボタンを。

周りの女の子に
『え? シンゴからボタンもらうん?』
そう言われて とっさに
『記念にね』
って言ってしまった。
周りの友達に知られるのが恥ずかしかった。



中学に入って クラスも離れシンゴ君と話をすることはなくなった。
私がシンゴ君のこと好きって噂になったけど・・・・。
やっぱり恥ずかしくて否定してしまった。


あの時 否定しなかったら。
私とシンゴ君の関係は変わっていたかもしれない。
シンゴ君が私のことどう思ってたのか聞いてなかった。
もしかして両思いだったのかなぁ?

風の便りで 結婚したと聞いた。
小学校の同窓会では会えなかった。

今ではいい思い出だけど。
今でもやっぱり友達より特別な存在なのかもしれない。
シンゴ君にもらった凹んだ第2ボタンは今も実家の私の机の上に隠されている。
私しか知らない場所に・・・・。

 

もどる


Copyright(C)2003-2005 deme All rights Reserved